サボテン栽培法 ~水やり~ [固定]
■水やりの失敗
何十年も昔のこと、自分が少年だったころに、
サボテンブームが2回やってきたように記憶しています。
当時の少年は、だれでも自分の家にフレームを自作して
高価で貴重なサボテンを買い、フレーム栽培してサボテンに夢中になっている状況でした。
友人とフレームのサボテンを眺めては、語り合ったり、比較したり、
自慢したりという日々を送っていました。
しかし当時栽培していたサボテンは、すぐ腐ったりして、大きく成長することは
なかったと記憶します。
いま振り返ると、その最大の理由は水やりにあったと思います。
当時は、普通の植物を育てるのと同様に、つねに用土が湿っている状態が
成長には必要だと信じていました。
このため、毎日眺めては水やりして可愛がっていました(可愛がっていたつもり)。
しかしたいてい下部から腐りが入って、ぐにゃっとしてダメにしていました。
高価だった明星や兜丸などが、つぎつぎと同じ運命をたどっていました。
■サボテンの性質
サボテンは、完全に乾燥し、カラカラになる状態を通る必要があると考えています。
その理由は、乾燥地帯で生き抜く体質というか特性に由来するためです。
水分の少ない地方に適応して生き延びてきた植物は、根の活動が活発で、
長く根を周囲に張り巡らせます。そして根は(活発に)呼吸をしています。
したがって、根が窒息するような水浸しの状態は得意ではありません。
根の細胞が死滅しやすい植物ではないかと思うのです。
水やりした後のビシャビシャになった用土の状態は、呼吸ができなくなるため、
根の活性が落ちていると考えてます。
しかし水耕栽培で、根の部分にポンプで空気をバブリングして当てるようにして、
栽培されている方もおられます。
■実際の水やり
このような根の特性から、水やりは次のような方法を採用しています。
(1)カラカラの乾燥期をいれる
(2)水やりのときは徹底的にやる
この2つは相反しているように思うかもしれませんが、やるときはとことんやる、
やらないときはまったくやらないという、メリハリの利いた水やり法が、
サボテンには向いているということです。
まず(1)の乾燥期ですが、鉢内の水分が完全に抜けてカラカラになるまで、
水はやりません。この乾燥状態をどう察知するかですが、自分は鉢の重さと用土の
表面状態で判断しています。カラカラになると鉢の重さは軽くなります。
この重さを覚えておくのです。
つぎに(2)の水やりですが、洪水のように徹底的に水やりします。
この理由には2つの要因が関係しています。
a.少量の水をかけるだけでは、用土全体が水を含まず、鉢の中の一部分だけに
水が流れる道ができて、その周辺だけ濡れているという状態になります。
用土全体に水やりしたことにならず、水やりしたのに乾燥していることになります。
(下図参照)
このように完全乾燥をつくり、また洪水のように水やりし、再び乾燥まで待つという サイクルは、南信州の乾燥気味の気候ですら10日ぐらいかかるという経験をしています。 もちろんこれは成長期の水を大いに吸う時期のめやすです。 根の活動が活発でないなら、そのインターバルはさらに延びると思います。 この乾燥するまで時間は、鉢のサイズ、用土の量、苗の元気さ加減、天候など 多くの要因で変化しますので、一概には言えません。 小さめの鉢は乾燥が速く、寄せ植えなどの大きめの鉢では乾燥は遅くなります。 なお用土のところで書こうと思いますが、水分を適度に保持して、 なおかつ、ガスの流通も可能なようなふわっとした用土が理想です。 この用土の状態によっても、乾燥するまでの時間は変化すると思います。
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