水切り中のトゲの成長 その2 [トゲの姿]
冬に水切りする理由のひとつは、水やりにより鉢内の水分が凍結して根が傷んだり、サボテン本体の水分濃度が多いと、凍結する可能性(凝固点という凍結温度)が高まるためといわれてます。もうひとつの理由はサボテンが水を欲していない時に水をやらないということです。
しかし、栽培していて感じるのは、後者の水を欲していない時には水やりをしない、という考えの方が正しいように感じています。多少の凝固点の変化くらい(たぶんせいぜい5℃程度)で果たしてサボテンを凍結から守れるのかなぁ・・・という気持ちがあります。
サボテンの冬眠は、たぶんある程度の大きさに成長した苗だけの話です。実生苗は冬だろうがなんだろうが成長しようとしていますし、小さな苗も動きます。冬の完全水切りを行うと、小さい苗のいくつかは体力の限界らしくて枯れてしまうのですね。あるいは気孔を完全に閉じ冬眠するメカニズムができていないのかもしれません。
下の画像は、日の出丸の小苗を追ったものです。完全水切り中であっても、成長を止めずにトゲが伸びているという画像です。
2010年12月15日。水切りして1ヶ月強。いちばん頂上に近いところに出てきている新トゲの様子に注目しています。
こうしてみると実生苗と同様に小さな苗は、冬の間は加温して水やりするのがいちばん成長が速いということになります。このへんはまだまだ研究の余地がありそうです。
2011-01-04 01:54
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トゲが伸びている様子がよくわかります。
小さい苗は自生地の厳しい環境に耐えられるように成長を急ぐんでしょうか。加温してどんどん成長させた苗とそうしなかった苗は大きさ以外にどんな違いが出てくるんでしょうかね。
私も以前からトゲの成長と水やりはあまり関係してないなと思っていました。
春先の新トゲは水やりしたら出てくるわけでもなし、サボテンは自分の意志で成長時期を決めている感じがします。
by おたやん (2011-01-04 12:26)
おたやんさん、すばらしい洞察です!
おっしゃるとおり、新トゲの出始めとか成長の開始は、水やりがきっかけになっているわけではありませんね。サボテンは自分の意思で成長、休眠サイクルを決めていると思います。栽培家ができるのは、それをアシストしてやるだけと、自分も感じてますよ。
自生地で生き延びるサボテンは、かなり強い苗だけだと思います。自然がそれを淘汰しています。日本での栽培では得られないすんごいトゲを備えていたりします。いっぽうハウスで軟弱に育てられた苗には、野性味がありませんね。本来なら自生地では、淘汰され消えてしまった苗たちなのだろうと思います。その代わり多種多様な顔が出るわけですが。
by saborich (2011-01-04 14:50)