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実生には不思議さが伴っている [栽培]

種を入手でき、水分と温度を加えてやれば、なんとかサボテンは発芽します。でも必要な環境については、微妙なものがあるなぁというのが実感です。とくに光の条件は難しいという実感があります。

東京のアパートの窓際で実生をやったときは、比較的成績が良かった気がします。しかし、駒ケ根の自宅のハウス内で実生を行うと、何となく発芽率が低いのです。温度や光の条件は、ハウスの方がいいはずです。東京では、ハウスは無く、光もあまり差し込まない場所でした。なぜなのでしょう。

先日ある本を読んでいて、タネの発芽に関する記事に出会い、あ、原因はこれかもしれないと思いました。その本には、雑草の発芽について記述されているのです。

『植物の種の発芽に必要な条件は、「酸素」と「水分」と「温度」の三つである。ところが、雑草の種子はこれらの条件がそろっても芽を出さない。発芽に適した環境でも芽を出さない性質が種子の休眠である。むろん休眠とは言っても、実際には休んでいるわけでも、眠っているわけでもない。ただ、発芽のタイミングを計っているのである。 雑草の種子は身のまわりのさまざまな環境要因を複合的にとらえながら、発芽のタイミングを判断している。ただ、発芽を決断させる重要な要素がある。それは、「光」である。

「植物」という不思議な生き方P.99』

これは、「光発芽性」と呼ばれる性質ですが、続いて記述されていた内容は、ちょっとビックリでした。光なら何でもいいかというと、種子は光の波長まで選別しているらしいという事実です。種子には、赤い光が当たると発芽するが、緑色の光では発芽しないのだそうです。赤が進めで、緑は止まれとなります。

植物の葉は光合成を行うために、赤色と青色の光を吸収しているのです。したがって太陽光の中で残る光の成分としては、緑色ということになります。要するに緑色の光は植物には不要なんですね。だから透過したり反射したりする。植物の葉といえば緑色ということになっていますが、いらない光の色が緑というわけです。

緑色の光で種子が発芽しないのは、種子の周囲にすでに別の植物が葉を広げているため、ということです。そんな環境では発芽しても育たない。したがって緑の光では発芽しないらしいのです。逆に赤い光が種子に届いているということは、周りに植物がないことの証拠だということです。なので、おもむろに(かどうか聞いたわけではわかりませんが)発芽する。

で、ハウスにおける発芽率の悪さの話に戻りますが、まわりにサボテン苗がたくさんある中で実生しても、緑色の光成分が多くて種は眠り続けているのではないかな、と思ったわけです。むろん検証したわけではありませんが、可能性のひとつとして考えられるなと思いました。まあ、色の異なる光で発芽率の比較実験をすればいいのです。それはまた、とってもマニアックな話なのですけれども・・・

 

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