うまくいかなかった試み [栽培]
数年前になりますが、いま思えば恥ずかしい失敗をしました。最適なタイミングで鉢物に水をやるには、どうしたらいいか、鉢の中の水分を外から知る方法はないかなど、いろいろと調査して実験をしたのです。
当時、竹串を鉢の中の用土に挿して、ときどき竹串を引き抜いて、湿り気を見たり触れてみるという方法を実行していました。竹串モニターです。
でもなかなか正確なところがわかりません。触ってもどの程度湿っているかハッキリしないことが多いのです。それにある程度の期間を使っていると、竹串が腐ってくるのです。そりゃそうですよね。湿ったところに挿しっぱなしですから、用土中の微生物なんかが分解してしまうようです。
園芸店に行くと海外製品ですが、竹串モニターと同じ原理の測定具が売られていました。本体は樹脂製のパイプ形状ですが、中心部に紙が上下に貫通していて、鉢内に挿した部分で紙が水分を吸収し、上部にあるモニター部に、この湿り気を伝えるようになっています。湿り気を、色で表示するような構造です。ただとても高価で、何百鉢もの苗のすべてに適用したら、膨大な投資になってしまいます。
いろいろと考えて、用土中の水分を直接見えるようにできないかを考えました。鉢の用土の湿り気を、管のような構造で外部に導き、水分が見えるようにする試みです。鉢の中腹部に穴を開け、そこに透明な鉛筆キャップを接着します。すると、用土が湿っている場合、鉛筆キャップの内部に水蒸気や水滴がつきます。これを見て、まだ湿っていると判断しようという方式です。
写真ではこんな感じ。用土は赤玉土の中粒をつかい、水やりをした時間を記録し、しばらく経過すると鉛筆キャップの内部の壁に水滴が着き始めます。写真では白く見えるところです。
なんとなく巧くいきそうではないか!と気をよくして、こんどは鉢の用度の上中下の3箇所の水分の違いを見てみようというので、こんなものを作って再度実験です。この辺りから自分のやっていることが、なかなか狂気じみているなぁ、と半分滑稽になってきました。
でも上中下のうち、下に行くほど水分が多いという予想通りの結果が得られています。別のマニアックな人の実験によると、水は鉢の表面から乾いていき次第に乾燥帯が下に向かうのだそうです。
次に、竹串モニターとの対応を見てみようという訳で、竹串も同時に挿して両方の方法で得られる結果が一致するのかどうかを調べました。その結果を記録したのがこの写真です。
3段の鉛筆キャップに立てかけてあるのが、同時に挿していた竹串です。これを見ると、竹串でわかるのは、かなり水分量が多い状態だけということがわかります。ビチャビチャに濡れていれば、それは色も変わるだろうということですね。 いっぽう水蒸気モニターの方は、かなり微妙な湿り気も見えそうな感じがします。
巧くいくかもしれないと思いつつも、同じものを何百鉢分も作るんだよね・・・と作る自分の姿を想像して、急に狂気が萎えてしまいました。特許でも取得して大量生産すれば、コストはあるいは下げられるかも知れないのですが、商品化してそんなものを買う人がいるんだろうか?自分くらいマニアックならばいざ知らず、フツーの人はこんなことをやるのだろうか?
そうは思えないなぁ・・・結局、この方式は懲りすぎで、コストが掛かりすぎるという結論に導かれたのでした。
にほんブログ村
コメント 0