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サボテンの生理 [生態]

サボテンは特異な光合成を行っている植物ということです。水分の少ない過酷な環境で生育している植物に特有な方法で、自分は専門家ではありませんが、「CAM型光合成」(ベンケイソウ型有機酸合成)と呼ばれています。詳しい説明は、Wikipediaにあります。

この光合成は、夜間に二酸化炭素CO2を取り込みリンゴ酸という物質で貯蔵しておき、昼間に(光のある時間帯に)残りの光合成反応を進ませてデンプン等の栄養素に変換するという方式です。つまり昼と夜のセットで光合成のサイクルが完成する形態です。

なぜこのような生理となったかですが、通常の光合成のように昼間の温度が高い間にCO2を取り込むため気孔を開けてしまうと水分がドンドン蒸発してしまうためです。そこで水分蒸発の少ない夜間に気孔を開きCO2を取り込み、光のある昼間は気孔を閉じて光合成の残りの反応を行っているというわけです。CO2の取り込みが、夜間しか行われないため、光合成の収率が低く成長が遅いという結果をもたらしていることにもなります。

ここからは無責任な夢想が始まります・・・
長野県や新潟の寒冷地では、サボテン栽培ですぐれた成果を出している栽培家が多くいらっしゃいます。その理由は、夜間の冷え込みが重要なのだとか。

夜間はCO2の取り込みを行っている時間帯で、サボテンの気孔は開いています。冷え込みが強いほど(気温が低いほど)露点は下がり、空中の飽和水分量は低くなります。この関係で、昼間に空中へ蒸発していた水分は露点が下がることで、空中に気体として存在できなくなった水分が結露します。 また空中の相対湿度は100%近くに飽和しているはずです。

ここから想像の羽を広げているのですが。
夜間に寒冷となる長野県や新潟県でのサボテンは、十分に水分が空中から与えられているのじゃないかなということです。飽和蒸気の中ですので、気孔が開いていても水分蒸発がほとんど起きないという恩恵を被っているんじゃないかなということですね。夜間は寒い方が効率的に成長できる可能性があるのかなぁ・・・ということです。意外に原産地もこんな環境なのかもしれません。

場合によってはサボテン表面で結露している可能性もあります。気孔が開いても水が覆ってしまって逆に悪影響が出ているかもしれません。 新潟の栽培家の話を又聞きしたのですが、夜間クーラーをかけてやると、トゲものがすばらしく良くできるとのことです。この話を聞いたときは、う~ん、こだわる人はそこまでやるのか!と圧倒されてしまいました。しかしこの話、空中の水分量が関係しているに違いないと思ったものです。

ところで、果物栽培においても夜間の冷え込みにより、糖度の高い果実を得られるといわれています。果実の甘さとサボテンは関係ありませんが、どことなく似た話で面白いと思いませんか?

 

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 赤花の豊麗丸(2009年5月撮影)

 

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